モクモクの部屋
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炒め物をしていた。白菜とベーコンと玉ねぎをニンニクでガーッてやっただけのもの。
近頃とても寒いせいと、換気扇をしばらく回し忘れていたせいもあって部屋が煙と水蒸気でモクモクになりました。
温泉の1.5段下くらいのレベルです。視界がちょっと悪い霧の感じ。
途端に部屋の輪郭がいつもの数倍はっきりした気がしました。天井側の隅まで行き渡ったモクモクが、空間を満たしていて、型取りをしたみたいにとてもはっきりと部屋の直方体の感じが目に見えた感じがしました。
なんの話をしようとしてたんだっけ。
なんかあれです。「空間が在る」みたいに思った瞬間に「在ったことになる」感じみたいなのが良かった...のかな。で、というか、そのあともう一回再現しようとしたけどなんか上手くいかなかったので、もしかしたら夢だったのかもしれないな、と今は思っていたりするのだけれど。実はそんなことは物理的にできなかったのかもしれなくて。でも「知っている」からまぁいっか...みたいな。でもこういったことも記録しないとどんどん忘却していく。
私は人より記憶力が幾分弱いと思う。そういう意味では無かったことも在ったかのように考えたりするのでタチが悪い。というか、みんなはマジで覚えているんでしょうか。本当にすごいというか、私は手元にあると思っていた断片ですら怪しくて、何かとっておいた食べ物が変形している感じというか、失われていってるのがずっとずっと怖くて。あと日記とか写真だとこの恐怖があんまり薄れてくれないのも困ります。なんというか、あれ捏造できるじゃないですか、記憶を。「いやするなよ」という話だと思うんですけど、私はもう結構どうしようもないのです。勝手にそれっぽいことが在ったかのように思われてしまうので。そういう意味で多分自分はときどき「それが本当に在ったかどうか」が結構どうでもいいらしいです。私が区別つかないんで人に何も言えないし。でもそもそもそれってそういうものだよな、とも思っているのです。所謂アーカイブとか、「信用」は全然なくて。嘘でも捏造でも多分良くて。というか良い悪いじゃなくて元来そういうもので。だから多分「嘘じゃないです!」って言わなくても大丈夫だよ、って言いたくて。誰かに言いたいわけでもないけれど。
なんというか、モクモクの部屋、多分普通に在ったんだと思うんです。でもその事実ってどうでも良くないですか。みたいな。もっともらしくというか、「そう」思えたとき、たしかに「それ」に成っているんだと思うんです。だからきっとそれだけでよくて、それが全部なんです。
モクモクの部屋は普通に白米と合ってるなと思いました。